2018年11月19日(月)-11月25日(日) Oギャラリー
サンティナート カンヴァスに油彩 2006 F80
サンティナート 部分
サンティナート 部分
サンティナート 部分
サンティナート 部分
中心のためのノクターン カンヴァスにアクリル 2018 M25
夜の歌が聴こえる カンヴァスにアクリル 2018 M25
ホワイト・セントラル・コンポジション カンヴァスにアクリル 2018 30×90cm
鏡像の中心 カンヴァスにアクリル 2018 20×60cm
遠方を目指す運動 カンヴァスにアクリル 2018 20×60cm
遠方を目指す運動 右斜めから
遠方を目指す運動 左斜めから
あちら側ではキュビズムが カンヴァスにアクリル 2018 20×60cm
森の構造 カンヴァスにアクリル 2018 M8
海の構造 カンヴァスにアクリル 2018 M8
都市の構造 カンヴァスにアクリル 2018 M8
その方向が変えられるわけ オレンジカンヴァスにアクリル・ペン 2018 スクエア
その方向が変えられるわけ 左斜めから
印象をつくり出す グリーンカンヴァスにアクリル・ペン 2018 スクエア
CENTRAL RECOVERY カンヴァスにアクリル・ペン・鉛筆 2018 M3BOX
CENTRAL RECOVERY 右側面
CENTRAL RECOVERY 左側面
ハイドンの協奏交響曲 カンヴァスに油彩・鉛筆 2018 F6
深き神秘が回りに カンヴァスに油彩 2018 F6
まさに無尽蔵 カンヴァスに油彩 2018 F4
構成と躍動1 カンヴァスに油彩・アクリル・鉛筆 2018 SMダブル
構成と躍動1 左
構成と躍動1 右
構成と躍動2 カンヴァスに油彩・アクリル・鉛筆 2018 SMダブル
構成と躍動2 左
構成と躍動2 右
構成と躍動3 カンヴァスに油彩・アクリル・鉛筆 2018 SMダブル
構成と躍動3 左
構成と躍動3 右
構成と躍動4 カンヴァスに油彩・アクリル 2018 F0ダブル
構成と躍動4 左
構成と躍動4 右
構成と躍動5 カンヴァスに油彩・アクリル 2018 F0ダブル
構成と躍動5 左
構成と躍動5 右
構成と躍動6 カンヴァスに油彩・アクリル 2018 F0ダブル
構成と躍動6 左
構成と躍動6 左
SD-No.1 カンヴァスにアクリル・鉛筆・コラージュ 2018 SDカンヴァス
SD-No.2 カンヴァスにアクリル・鉛筆・コラージュ 2018 SDカンヴァス
SD-No.3 カンヴァスにアクリル・鉛筆・コラージュ 2018 SDカンヴァス
SD-No.1~3 正面から
SD-No.1~3 右から
SD-No.1~3 左から
会場風景
変貌する小屋哲雄氏
絵画教室「アトリエヒュッテ」に一生徒として通うようになってかれこれ10年になる。
その生徒の目から見た小屋哲雄氏の個展に対する感想である。
私は今回の 画廊宮坂(2018年7月24日~29日 )とOギャラリー(2018年11月19日~25日)の2つの個展を拝見し、
今までとは異なる特別の意義を感じている。氏は長年追求してきた純粋古典抽象主義の世界から明らかに一歩を踏み出したのだ。
私が教室に通い始めた頃からほぼ10年、純粋古典抽象主義の世界を追求する小屋哲雄氏を見てきた。
氏の作品から想像される人柄はその育ちの良さと人間としての優しさだ。そのことは教室での生徒の制作に対する指導にしても、
終了後の生徒作品に対する批評にしても多くの人が感じてきたことではないかと思う。
小屋哲雄氏はブログを始めた頃から好きな画家としてジャクソン・ポロック(1912~1956)をあげていた。ジャクソン・ポロックはご存知の通り20世紀アメリカを代表する抽象画家(ニューヨーク派)だ。早くからアルコール中毒に侵され、破滅的最後を遂げた画家でもある。ある意味堅実派の氏とは対照的な人物であり、生き方をした人だ。その意味でブログを見た最初の頃から氏の作品と氏が心魅かれると言うポロックの作品との乖離に不思議な思いを感じ続けてきた。
しかし、その疑問は今回の個展で氷解した。氏が長い間心の中に封じ込めていたポロックへの思いを具体的に表出したのが今回の宮坂での個展だったと思う。
そこに今回の作品群の飛躍があり、氏の前進した姿がある。この飛躍、前進を私は心から喜びたい。氏は確実に自身の心に一歩近づいたと思うからだ。
古典抽象主義の作品には小屋氏の一貫して追求してきた理念としての結実がある。一方今回の宮坂の作品には氏の内的情熱の結実が感じられる。この「理念」と「情熱」の対話から氏の作品が一層の深まりと輝きが生まれてくるに違いないと私は思う。
実際にその後のOギャラリーの作品には混沌とした作品群の中に新しい模索の痕跡が吹き出している。
「 都市の構造」「海の構造」「森の構造」の三部作には古典抽象主義の深まりが感じられる。
そのほかの作品においても従来から追及してきた古典抽象主義の作品に作品としての新鮮さが加わったように感じる。
一方、内的情熱の表出とも言える「虹の匂い」や「ジャクソンはシルバーがお好き」にはちょっとした爆発がある。「芸術は爆発である」と言った岡本太郎氏の言葉が思い浮かぶ。「たが為に世界は回る」などもそうである。ここには明らかに現代との対話がある。
新しい地平に立つことは新しい困難と向き合うことである。じっくり、じっくりである。お酒が熟成するように氏の作品の熟成を楽しみにしている。
今回の個展でもうひとつ私の中で氷解したものがある。哲雄氏の結婚である。奥さんの由里子氏は情熱の人そのものであるからだ。相模原芸術家協会の出品作品「和の情景」(昨年)、そして「森の奥へ」(今年)と着実に作品世界を深めている。それは由里子氏の内的深まりの証左であり。画家としての爆発も近いと感じている。
一粒種の息子さんを挟んでの二人の切磋琢磨する姿は清々しい。
アトリエ・ヒュッテという教室の学びの根もそこにある。
2018年11月 石垣義昭