2013年9月3日(火)-9月8日(日) 画廊宮坂
巨人たちの捜神記
カンヴァスに油彩・アクリル・コラージュ 2013 F100





Cubism Composition
カンヴァスに油彩・OGテンペラ 1992 P20









会場風景



2013.9.3-9.8 古典抽象主義18(画廊宮坂)の展示について。
今回は私のテーマである、「古典抽象主義」の18回目の展示になる。「古典抽象主義」とは古典絵画の持つ豊かな空間性だけを取り出し抽象絵画として成立させるのが目的の制作である。
このテーマは奥が深く、実験的な制作を続けている。意識して制作を始めたのは1998年である。
端的に言えば、私は絵画の新しい空間表現を、抽象画で成立させたいのだ。
なぜ抽象なのか?なぜ、具体的なモチーフを使わないのに「古典抽象主義」なのか?とも、よく聞かれる。その問いかけに答えるのは簡単である。私は具体的なモチーフの持つ形や意味性を排除した上で絵画空間を描きたいと望んでいるからである。
しかし、イメージまで使わないわけではない。例として、私の描く形態や色彩がプリミティヴなものを思い起こさせることはあるだろう。それはそれで良いと思う。私の絵画と、観る人のイメージがどこかで合致すれば、とても楽しめるのではないかと思っている。
例えばゴッホの「向日葵」の絵を観たときに、リアルな向日葵だけを感じる人はあまりいないだろう。確かに向日葵には違いないのだが、それだけでは解決できない、おかしな感覚を感じると思う。それが本来、ゴッホが表現したかったものだと思う。ピカソはキュビズムで、マティスはフォービズムで、その感覚をより強くした。
公式にするとこうなるだろう。
感覚>モチーフ
私はその(優れた古典絵画の持つ)感覚を、更に具体的なモチーフを使わない事により、もっと強化したいのだ。
それが、結果的に抽象画という方向に向かうのは当然だと思っている。
普段、自分たちが絵だと認識しているものが本当に「絵」に起因するものなのか、もしかしたらモチーフに起因するものなのか、今回の個展が、その再考するチャンスの場になれば嬉しいと思う。